「シブヤ大学 ビール醸造ゼミ」 第三回ゼミレポート
10月19日(日)、シブヤ大学ビールゼミ第三回が、ニッカウヰスキー青山本社2Fで行われた。
14時、生徒たちが全員集合。今回は、29名中21名出席で、過去最高の出席率! 今回は特にビール作りの核となる大事なゼミ内容だったため、参加者が多くとりあえずほっと一息。
まず始めに、シブヤ大学今村より前回のおさらいとして、それぞれが持ち寄ってプレゼンした「シブヤ」をイメージする写真をスライドショーで見ながら(写真はネットからピックアップしたものがありお見せできません。すいません)、前回の授業内容の説明と確認をする。その後、14時20分よりコンセプトシート3枚が生徒のみなさんに配られる。次回発表するコンセプトシートを作成するにあたり、今回のビール作りで色や香りなどで実際に製作可能なビールの表現について、参考事例を基にアサヒビールの尾崎先生が説明。コンセプトシートでは、「シブヤ」のイメージ化→キャッチフレーズとイメージストーリーの作成→ビール名称と味ワード(色・香り・ボディ・苦味・炭酸感)への翻訳を各自行っていく。そして今回は、隅田ブルーイングから佐々木さんが技術者として同席。
14時30分、紫牟田先生より今度は先ほど生徒に配られた3枚のコンセプトシートの例文を参照しながら、コンセプトメイクの方法を説明。
紫牟田先生からの説明終了後、前回5つに分けたグループごとに生徒たちに座ってもらい、前回の欠席者は各グループが4~5名になるように振り分けられる。このメンバーが最終的に一緒に発表を行うメンバーとなる。その後、15時からは一時解散し、グループごとに実際に「シブヤ」へ出てコンセプトメイクの準備を行う。すでに前回の授業でフィールドワークを行うことは伝えてあるため、すでにどこへ行くかを決めているグループはすぐさま外へ行くが、まだ初めてのメンバーが多いグループや事前に打ち合わせを必要としたグループは、会議室で簡単なコンセプト統一をしてから外出。
1時間後、各自グループが会議室に戻ってきて、16時30分からのグループごとの途中経過発表に向けて、お互いの意見を纏めていく。授業開始直後の受身的な態度はなくなり、それぞれのメンバー同士がぐっと近づいた感が出てきた。
14時30分からのコンセプトのグループプレゼン内容は以下の通り。
<アルトチーム>
前回出席したメンバー3名であらかじめ打ち合わせを実施。シブヤをゴールにして、代官山と初台と池袋から徒歩と自転車を利用して散策し、自分たちの感じた「シブヤ」のイメージを作りあげていった。
・ シブヤには子供から老人まで色々な人たち集まっている。その中には目的がなく集まってくる人たちが多い。ただ、それぞれ"何か"を求めて来ている。
・ 若い人は大人になりたくて、逆に大人の人は若くなりたくてシブヤに来ているのではないか?若い人は大人のエキス、大人の人は若い人のエキスを吸収しに。→まさにシブヤ大学に対するイメージと同じ。
・ この若い人たちと大人の人たち、お互いが刺激し合えるような、一緒に飲み明かせるようなビールがあったらうれしい。
・ 炭酸はきつくなくゆるゆる飲める。話しているとトイレに頻繁に行けないのでそこも考慮。大人は子供の頃を思い出せる、子供は大人になれる気がするビール。
今日はこれらの抱いたイメージが正しいかを確認するため、各自シブヤを歩いている人たちを追跡し、どこへ向かっているのかを調査。また、街角で歩いている人たちに話しかけて、シブヤに来た目的をインタビュー。そうすると、散歩や買い物など、明確な目的のない人が実際に多いことがわかった。
<エールチーム>
シブヤに行き交う人たちに対する『違和感』を感じて、それが何であるかを調査。
・ 結婚式が多く行われていて、そこを通り過ぎる人たちはそれをジロジロと見てはいるが、「おめでとう」や「きれいだね」と伝える人がいない(コミュニケーションの欠如)
・ 普段からよく言われるシブヤに対する「怖い」「疲れる」というイメージ
シブヤはたくさんの種類の小さな集団が集まって形成されている。ただ、それぞれの集団が交流・コミュニケーションすることは少なく、こんなに色々ある集団を繋げられるビールがあったらいいなと思い、集団を越えてコミュニケーションできるビールを作りたい。
例えば、乾杯が楽しい、ビール通しをぶつけたくなるビール。(飲んだ量によって音が変わる)。皆が気軽に言える合言葉。「明日も来てくれるかな?」と言うと、思わず「いいとも」と言ってしまうような。通りすがりのウェディングやオープンカフェで飲めたり、街の中で歩きながらかろやかに飲めたりするビール。
<ケルシュチーム>
それぞれの持つイメージを共有するため、まずそれぞれでシブヤを歩いてみる。
・ 以外に普通の住宅街が多い
宣伝をしなくてもシブヤには外から人たちが集まってくるが、実はシブヤに住んでいる人たちもたくさんいて、そこのフォーカスされることが少ないのではないか。マスメディアが作り上げたイメージではなく、自分たちで歩いて気づいたイメージ。
・ 地元のビール
・ 外向けではなく、シブヤに住んでいる人たち、生活している人たちが飲めるビール
歩いていると、犬を散歩している人たちが多いことに気づく。毛並みの綺麗な『大事にされている』犬が多い。こういった人たちが飲める、『大事にされる』ビール作り。「今日はこの缶を捨てないで持って帰ろう」と思えるビール。
シブヤは昔からある街で、昔は「シブヤ村」と言われていた。シブヤは人たちが作り出した街で、とっても人工的にできている。人がシブヤを作ったので、自分たちで残していく責任がある。来年も50年後も「シブヤ」への責任を忘れないで。
<スタウトチーム>
キーワード:「小さなプライベートスペースの集合体」
今回HMVの前のサンクスでビールを買ってみんなで飲んだ。そこで気づいたことは、外でビールを飲んでいても全く人の目線が気にならないこと。これはシブヤ特有なのかもしれない。これは悪く言うと「無関心」。それぞれのグループにしか目線が向いていない。それぞれのプライベートスペース。
シブヤ=小さなクラスターの集合体。一見寂しいイメージだが、その小さな集合体同士が実は同じビールを飲んで繋がっていると面白いのではないか。「街で歩きながら飲めるビール」を作りたい。
<ポーターチーム>
ゼミ前に、午前中から集まって話し合い、実際にシブヤを歩いた。フリマ、パチンコ屋にいるちんどん屋さん、ゴスロリ、ロック、公園で寝ている人。
色々な人たちがいて、歩いているだけでかなり疲れた。
それは、シブヤにいる人たちのエネルギーがとても強いから。
ゼミ内での外出は逆に、個々で行動。
・ 人々=シブヤを彩る広告媒体
・ 毎日続くお祭り(非日常)
・ 宝石箱(それぞれの『夢』に向かう途中、ダイヤの原石)
・ 何かを表現して、次に行くためのステップアップをする場所
全て人の手が加わっている。「空」と「雑草」以外は人工物。ネーミング案『シブヤ空草』。
すべてのグループのプレゼンテーションが17時に終了。紫牟田先生を始め、河村先生、尾崎先生、森先生、取材メディアの方、そして佐々木先生がそれぞれプレゼンを聞いての感想を述べる。それぞれの「シブヤ」に対するイメージはできてきているので、あとはどうストーリーを組み立てていくかという課題が、統一意見として出された。次回は、各グループによるプレゼンテーション本番。紫牟田先生から説明のあったコンセプトシートを基にプレゼンを行う。(コンセプトシートは全員にメールで後ほど送る。)14時に集合し、1グループあたり10分のプレゼンテーションを行うということの説明があった。
いよいよ大詰めのビールゼミ。一体どんなビールができあがるのだろう?
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