11月29日(土) ミーティング内容レポート
11月29日(土)に、アサヒビールアネックス4階の「月の灯り」(浅草)でミーティングを行いました。参加されたのは、隅田川ブルーイングの方々とアサヒビールの河村さん、エール班4名でした。
1)既存ビールとの比較からの味のコンセプト詰め
最初に、隅田川ブルーイング方々から既存のビールやそのビールをベースに風味付けをしたらこうなるかなというビール(想像の範囲で)と、コンセプトとして出したビールが、どの点が似ているかと言う説明を、プリントの一覧表を頂いた上で、受けました。
2)コンセプトの優先順位
全項目コンセプト通りのビールは難しいので、色や香りなどのどの項目を優先してほしいのかを聞かれました。
このコンセプトに至った経緯を話しながら、優先してほしいのは
「苦味:ライト」「香:爽快」「低アルコール」としました。
開発時に、味や香りといった項目以外で考慮してほしい点として、
持ち歩いて街で飲むことが前提であることから
・時間が経っても不味くならない(つまりは嫌なビール臭さ(=炊飯ジャーの時間のたったお米のような穀物臭)がでないようにしてほしい。)
・注ぎたてを一口でぐっと飲みきるような喉越しビールではなく、時間が経ってもおいしい、口で味わうビールにしてほしい、ことを伝えました。
それを受けて隅田川ブルーイングさんは、
「一口目と後半の味の変化がないビールとも捉えられる。時間経過だけでなく、温度変化に強いビールという視点も必要か。低炭酸でボディも軽くなど、全ての要素が軽いほうが時間経過の味の変化が出にくいし、穀物臭も出にくい。」という話になりました。
「しかし、ボディも軽くなってしまうと水っぽくなるのでは、しっかり感がなくなってビールらしさがなくなり、ビールとして成立しなくなるのは・・・」とお伝えした所、「ボディの深さや濃厚さと味は別ものなので、ビールらしさのしっかり感は味で出す。この味は、(川風がマスカットでやったように)軽いフルーツ感で出してみるのも一策」ということに。
優先下位の項目として、
「色:透明感」→白濁していて日光がとどまる感じでもいい(でも黄色は優先!)
「香:華やか」→(スパークリングワインの華やかさをイメージして作ったビールがあるがそれと似ている?という話を受けて)スパークリングワインのような華やかさはいらない、と伝えました。
一番議論を呼んだのが「ガス感」。隅田川ブルーイングさん曰く、
「時間経過しても「しゅわしゅわ」してほしいならガスを強く充填することになるが、持ち歩きくとなるといくらガスを強くしたって、抜けちゃう。白いきめ細かい泡となると、やっぱりガスを沢山入れないと。でも、そうすると時間経過に弱いどんどん不味くなるビールになってしまう」
そこで「我々はギネスのビールの泡をイメージした、あれなら長持ちするのでは?」と伝えると、「ギネスの泡は、炭酸だけでなく窒素ガスで出している。・・・窒素ガスか、使えなくないかも。でも、コストが・・・。」ということでした。
3)試飲
イメージが近いかもしれないということで、他の地ビール2種類を買ってきていただきました。その中の一種は、非常にレモンの味や匂いが強いビールでした、そこでは、「ガス感はこんな感じでも構わないが、香りや味はこんなに強いものではなく、あくまで風味がする程度を希望している」ということを伝えました。
最終的に、隅田川ブルーイングさんから
「モルト100%はない感じ。既存のビールで言えば「川風」が近いか。川風と同じ発泡酒の分類のものになるだろう」ということでした。
(エール班 ・ 小山 徹平)
「シブヤ大学 ビール醸造ゼミ」 第四回ゼミレポート
11月16日(日)、第四回シブヤ大学ビールゼミが、今回もニッカウヰスキー青山本社ビル(東京都港区)で行われました。
第二回ビールゼミでグループ分けされた計5チーム(ポーター、スタウト、エール、アルト、ケルシュ)が、それぞれのグループで考え出したシブヤビールのコンセプトについてのプレゼンテーションを行い、各チームが
・ 渋谷のイメージとキーワード
・ そのイメージに対するキャッチフレーズ
・ イメージストーリー
・ 渋谷ビールの名称
・ 内容<色・香り・ボディ・苦味・ガス感>
という、先生が前回説明したコンセプトシートに則って発表を行いました。
集合の20分前から準備をしているグループや、逆にぎりぎりまで準備をしていたようで集合に遅れてくるグループなど、アプローチはそれぞれでしたが、その活気からプレゼンテーションに対する熱が伝わってきました。30分ほどプレゼンの最終準備を各グループで行い、話し合いによってポーター→スタウト→エール→ケルシュの順にプレゼンを行うことに。基本的には全てのグループがプロジェクターを使って発表を行いましたが、大きな渋谷MAPを作ってくるグループ、自らロゴやオリジナルラベルのデザインを発表するグループ、ナレーターの指定(森本レオ)付でイメージストーリーを発表するグループ、そして作成したビールを注ぐビールサーバー(名前:ハチ公サーバー)のアイデアまで提案するグループなど、チームごとにそれぞれの色がプレゼンに綺麗に反映させ、それぞれのシブヤビールに対する熱い思いが伝わってくる発表になりました。
以下はそれぞれの発表の一部。
■ポーター
シブヤの感動キーワード:
渋谷って"宝石箱が放つ光"っぽくない?
キャッチフレーズ:
いつまでも輝き続ける光を放つ街、シブヤ。
シブヤビールの名称:
Precious Stones
■スタウト
シブヤの感動キーワード:
シブヤは小さなPrivate Spaceの集合だった!!
キャッチフレーズ:
僕らはシブヤでもっと近づく
シブヤビールの名称:
シブヤビール
■エール
シブヤの感動キーワード:
あっすてき、気になるっ、との出会い
キャッチフレーズ:
シブヤで
街先で
咲く人になろう。
あっ*からつながるカンパイで。
シブヤビールの名称:
トナリニ
(イメージ:睡蓮 ステキな蕾がいつか開き大きな花になる。水中でそれぞれが絡み合っている。)
■ケルシュ
シブヤの感動キーワード:
帰巣本能をくすぐられるツンデレな街
キャッチフレーズ:
シブヤの活力!シブヤの人達を応援。
シブヤビールの名称:
シブヤエール
プレゼンテーション後、各チームで2票ずつ、先生と関係者はそれぞれ1票ずつを「一番飲んでみたいビールをプレゼンしたチーム」に投票。先生、アサヒビールの方々、シブヤ大学学長からそれぞれ講評をいただいた後、ついに開票。生徒の投票では、エールチームとアルトチームが同数でしたが、関係者からの圧倒的な票数を得て、エールチームのコンセプトが選ばれる結果になりました。
ただ、味の具体的な進行はアサヒビールとエールチームで行うもののそれ以外の飲み方の作法などを含めて発表会に関しては今後チームの境目を越えて皆で決めていくことに。先生からの感想として「グループそれぞれの個性があったが、皆が持っているコンセプトの核の部分はかなり類似している」というものがあり、生徒の感想からも同意見が出ていたことも考慮され、その核の部分を共有しつつ2月の試飲会を目指して今度はシブヤビールゼミ生全員で話し合いを進めていくことになりました。
今後のスケジュールとしては、12月(第五回)に「2月発表会でどうしたらみんながおいしく飲んでくれるか?」「どういった発表をすれば皆に伝わるか?」について詳細を詰めていくことになり、先生や生徒からの意見として、プロジェクターでプレゼン、パンフの配布、おみあげ(コースターやタンブラーなど)の用意、スタッフ用Tシャツの作成など、色々なアイデアが出てきているので、具体的に実施するアイデアを次回固めることになりました。
ついに四回目にしてシブヤビールの姿がシルエットだけ見えてきた気がします。たった四回で生み出したプレゼンとは思えない素晴らしい発表に、先生をはじめ関係者からは本当に良い意味で予想外だったという意見も多く出ており、アサヒビールゼミ生のビールに対する愛情も伝わってくるゼミ内容となりました。
さらにシブヤビールを通して、それぞれが『シブヤとは?』という大きなテーマに対しても、それぞれの思いを見つけてきた気がしました。
次回は12月13日(土)ゼミ実施予定。乞うご期待。