シブヤ大学

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インタビュー

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秋山恵子さん(大学生)
プロフィール:カウンセラーになるための勉強をしています。

シブヤ大学には、“ボランティアスタッフ”という当日の授業運営をサポートしてくれる仲間がいます。今回は、ボランティアとして初めて授業作りに参加してくれた秋山恵子さんにお話をお聞きします。お父さんである秋山修さんを「街の先生」として推薦し、3/17(土)の授業『「心」に寄る。~緩和ケアの現場から~』に企画から携わってくれた秋山さん。ボランティアになったきっかけや普段の活動から、どのように授業を作っていったのかなどのエピソードをお聞きしました。


Q:

シブヤ大学の事を知ったきっかけは何ですか?

秋山:

アルバイト先の先輩だった左京さん(シブヤ大学学長)から聞きました。左京さんが主催していた勉強会に参加するようになり、その時にシブヤ大学の構想を聞いて、おもしろそうだなぁと思ったのがはじまりです。どんな授業ができるのか想像もできなかったけど、何よりも左京さんの熱意にわくわくさせられて、どうカタチにしていくのか見物だなと。そして、その実現現場をみてみたいという好奇心からボランティアとして参加することにしました。

Q:

ボランティアスタッフの活動は具体的にどんなことをやっているのですか?

秋山:

会場案内や受付をしたり、授業に参加できなかった人のために授業レポートを書いたりしています。授業風景を写真やビデオで記録したりも。私は、特に授業後のミーティングが好きです。毎回授業が終わった後に事務所に集まって、授業の内容や雰囲気、当日の運営などについて全員で反省会をするんです。ボランティアも含めたスタッフの熱意や試行錯誤が見えますし、自分もどんどん意見を出していける。周りもちゃんと聞いてくれる。シブ大をよくしようとみんながひとつの方向を向いてるから、すごく連帯感があります。シブ大はまだ未完成なので、カタチが変わっていく過程が見えて、そこに自分が参加していけるのが楽しいです。

Q:

「街の先生」募集についてはどのように知りましたか?

秋山:

開校前から話は聞いていたのですが、ちゃんと認識したのは開校式で配られた『シブヤ大学通信』のプリントを見てからです。「シブヤがキャンパスってそういうことかぁ!」と合点がいきました。“みんなが先生で、みんなが生徒”。学ぶって、とても身近な行為なんだなぁと思ったのを覚えています。

Q:

「街の先生」に応募したきっかけは何ですか?

秋山:

「お父さんの職場は渋谷じゃん!!じゃあ先生になれるね」って。父よりも、母との会話から生まれた発想です。ほんとに軽い気持ちでメールで応募しました。どうなるのかまったく想像がつきませんでしたし、まさか自分が授業作りに参加するとは思ってもみませんでした。それに、街の先生第1号の松田さんの授業にボランティアとして参加したことも大きかったです。違和感がないというか、ちゃんと“先生”だったんですよね。先生って、専門的なことを教えることだけじゃなくて、何かを考える時間やきっかけを与える役割もあるのかもしれないと思いました。

Q:

授業の内容はどのように決めていったのですか?

秋山:

父の職業の魅力は何か、“この授業をすることで父が一番伝えたいこと”はどういった部分か、シブ大のスタッフさんに話を聴いてもらいながら一緒に詰めていきました。「『緩和ケア』と『ホスピス』と『ターミナルケア』ってそれぞれどう違うの?」「そもそもあなたはこの授業で何を伝えたいの?」などいろいろなやり取りの中で、私の考えを引き出してくれました。そして、それを共有した上で、授業の目的やメッセージ、授業構成などの理想像を組み立てていきました。私にとって、この“問われる”ことがとても貴重な時間でした。普段いかになんとなく言葉を使っているかを思い知らされたし、自分の目的は何なのか、その目的に到達するためには何をしたらいいのかを順序立てて考えるトレーニングになりました。

Q:

具体的には、どのような準備をされているんですか?

秋山:

スタッフさんとの打ち合わせをもとに、Webでの授業案内に載せたいことや、授業で使う資料などを作っています。実際に病院の見学にも行きました。父に話を聴きながら、緩和ケア病棟を案内してもらったんです。父が患者さんと話す姿を見たりして、働いてる時と家にいるときとにあまり違いがないことにびっくりしました。もともと私はアルバイト先で学んだコーチングやカウンセリングというものに興味があるんですが、自分の目指すカウンセラーと、父の仕事に密接な関係があるんだなと改めて気付きました。まだ勉強中の身だから、偉そうなこと言えないんですけど、カウンセリングって“聴くこと“をすごく大切にするんです。「目の前にいる人が本来持ってる力は何だろう」「それを引き出すにはどうしたらいいんだろう」って考えていくのが私と父の仕事の共通点なんだなと。影響を受けてるみたいです。

Q:

準備をしていく中で、印象的だったことはありますか?

秋山:

授業のタイトルを考えた時のことなんですが、タイトルって授業の内容を、短い文に凝縮して伝えないといけないから、すごく頭を使うんです。一番伝えたいことは何かを整理し直して、興味を惹いてもらえるような言葉を捻って。20個くらい候補を考えました。それをスタッフさんに託したら、私のアイデアをブラッシュアップして『「心」に寄る。~緩和ケアの現場から~』というタイトルを作ってくれたんですよ!授業の本質がぎゅっと詰まっていて、さすが、プロですよね。自分の考えたものを、誰かに手渡して、それがパワーアップして返ってくるというのは初めての経験でした。協同作業ですね。

Q:

授業の“中身”を作る側に立ってみて見えてきたことはありますか?

秋山:

「人に何かを伝える」という視点が持てたことが発見でした。「そもそも何を伝えたいのか」、それを「どう伝えたい」のかを念頭に置きながらものごとを考える癖がつきました。授業の内容と日常生活にどう接点をもたせるか。生徒さんに父の仕事や「ホスピス」の考え方を知ってもらうのはもちろんのこと、それが普段の生活の中で生かせるような“日常に落としたメッセージ”となるように日々考えています。なので、頭の回路がすべて授業に繋がってるんですよ。映画を観た後に、急に授業の構成がひらめいたり(笑)。それを書き留めて、授業案に盛り込んでいく。その繰り返しです。

Q:

当日はどんな授業にしたいですか?

秋山:

シブ大のいいところは先生と生徒の間だけじゃなく、生徒同士の関係性を築くことができることだと思うので、互いの考えを交換できる参加型の授業にしたいです。授業の内容を全部覚えるのではなく、聴くことに集中してもらって、自分に必要な言葉やアイディアをお土産に家に帰って欲しいです。それを、普段の生活の中で生徒さんひとりひとりがふと思い出したり、考えたりして欲しいなぁと思っています。

Q:

授業で伝えたいことは何ですか?

秋山:

命に終わりがくるのはみんな知ってると思うんです。ただ普段はなかなか意識しないこと。でも、終わりを意識すると今の自分のあり方が見えてくるし、将来のことを考えるきっかけにもなると思うんです。考え過ぎても疲れちゃうけど、たまには真剣に考える日があってもいいんじゃないかと思っていて、この授業がまさにそのきっかけになればと思っています。少し話が変わりますが、父は5、6年前から食後にハーブティーをいれるんですね。その時私が同じ部屋にいると「恵子、ハーブティー飲むか?」って必ず声をかけてくれて、その時間が私はとても好きなんです。父は忙しい人だし、普通なら自分の分だけぱっと飲んでしまってもいい。でも、その父の時間の中に、私と過ごす時間をちゃんと入れてくれてる。ハーブティーやアロマテラピーというコミュニケーションは、父の仕事の一部でありながら、家庭にも広がっている部分。そうやって、最近になってやっと私の生活の中にあった「ホスピス」という考え方の欠片に気付いたんですよ。だからみなさんにも、私自身がそうだったように「ホスピス」という考え方から、話すこと、聴くこと、誰かの傍にいることの意味を日常の中で考えてもらえたらと思っています。

Q:

参加者、これを読んでくれている方への一言をお願いします。

秋山:

教える人と教わる人、両方が学べるのが“シブヤ大学”。今回授業を作ってみて、シブ大の目指す“地域密着型の新しい教育のカタチ”や女子高生による授業など、パンフレットに書いてあることが、夢物語ではなく現実にあり得ることなんだと、その言葉のひとつひとつが実感に変わりました。父のような街の先生がもっと増えて欲しいです。街は、そこにいる“人”でできてる。そうしたら、いつか私の地元の吉祥寺にも“大学”ができちゃうかもしれないなと想像が膨らみました。“シブヤ大学”は常に現在進行形。みんなでもっともっとおもしろいものにしていきたいと思っています。